武学館では、子供たちが最初に学ぶ武道として空手道を採用しています。 個人競技的な印象を受けやすい空手道ですが、できるだけチームワークを持った稽古を心掛けています。みんなで声を掛け合い、お互いの技を参考にしたり、同じ技を稽古しながら注意したりしながら、人間関係も学ぶ教室を目指しています。先輩と後輩との関係を意識しながら、連帯感をもった雰囲気を作っています。

 体力トレーニングも欠かせません。一人で稽古することは苦しくても、みんなと一緒にすれば楽しくなります。お互いに競い合ったり、励ましあったりしながら、できなかったことが少しずつできるようになります。先生や指導員からの教えだけでなく、「みんなでがんばる」という経験がとても大切な「学び」となります。上級者と初心者が一緒に稽古することでお互いを意識し、体だけでなく心の鍛錬にもなります。

 一般部の練習生や指導員、または上級者の先輩たちが子供たちの組手のために胸を貸してくれます。子供たち同士の組手稽古も大切ですが、上級者との組手稽古を通じて、技だけでなく礼儀や「惻隠の情」を学びます。最初は、必死に打ち込んでいた子供たちが、数年後胸を貸す先輩になります。心身の成長とともに後輩たちの面倒を見れるようになります。初心者から上級者まで一緒に稽古することはお互いにとってプラスになります。

 武学館では、年に二回昇級昇段審査会(春:京都、夏:高松)が開催されます。審査内容は、武学館の会派武道である「形意和真流唐手道」の規定形の演武です。合格すれば、昇級すると同時に帯が新しくなり、色も変わります。少しずつ級が上がり、帯の色も変わることを楽しみにしてみんな一生懸命に稽古します。審査会での真剣な姿は普段の生活にはない緊張感があり、子供たちの成長によい影響を与えています。